皮膚科

メラニン産生

アルビノの原因遺伝子 Tyrosinase(OCA1) Pタンパク(OCA2)、チロシンの輸送タンパク、メラノソームに取り込む TRP1・・・"brown" TRP2・・・"slaty" チロシンからeumelaninとpheomelaninが合成されるが、デフォルトはpheomelanin。 α-MSHのシグナルにより、e…

HMB-45

メラノーマ抽出物を利用して1986年に作成されたモノクローナル抗体。 名前はHuman Melanoma Blackに由来する。 HMB-45は「抗体の名前」であり、対応抗原はSilver*1。 Silverはメラノソーム上の膜タンパク。 Silverの発現はメラノソームを持つ細胞*2に限られ…

植物皮膚炎(アレルギー性)を起こしやすい植物

ウルシ マンゴー(ウルシ科) キク ヨモギ(キク科) ブタクサ(キク科) ギンナン サクラソウ

シュウ酸カルシウム針状結晶

シュウ酸は植物によく含まれる物質。 シュウ酸カルシウム針状結晶は食べた時に口腔内刺激の起こす。皮膚炎の原因ともなる。 因みに尿路結石の8割以上がシュウ酸カルシウム結石。 シュウ酸カルシウムを多く含む植物 サトイモ ヤマイモ キウイ パイナップル …

表皮とWntシグナル

βカテニンは通常、細胞質内でリン酸化、ユビキチン化され速やかに分解されるが、Wntシグナルにより安定化し、Tcf/Lefと結合して標的遺伝子*1の転写を調節する。 皮膚においては、毛包/付属器の形成に最も重要なシグナル。 安定化βカテニン導入マウスでは、通…

Microgeodic disease

マイクロジオディック病、和名はない 指や趾がしもやけ様に発赤、腫脹する。軽度の痛み、痒みを伴う。 好発年齢は小学生(6-12歳)。主に中節骨に好発。 風邪などで腫脹が増強することもある。 XP像で骨吸収像を認める。 原因は不明も、一過性の骨循環障害と…

毛芽腫と基底細胞癌

毛芽腫・・trichoblastoma 基底細胞癌・・trichoblastic carcinoma 毛芽腫のmalignant counterpartであり、所謂BCC hair germ由来の腫瘍は、基底細胞上皮腫や基底細胞癌と呼ばれ、その悪性度に幅があることが知られれる。良性の毛芽腫と悪性の基底細胞癌とを…

シラミの駆除

シラミが卵から孵化するまで、7〜10日。 スミスリンは、3日おきに4回使用する。 パウダーはまぶした後、シャワーキャップなどをかぶって1時間おく。 シャンプーは5分間おく。

Waardenburg (ワールデンブルグ)症候群

内眼角乖離、前頭部白毛、聴覚障害、虹彩異色症を示す。 Ⅰ〜Ⅳ型に分類される*1 Ⅰ型・・内眼角乖離のあるもの、原因遺伝子の一部→Pax3 Ⅱ型・・内眼角乖離のないもの、原因遺伝子の一部→Mitf Ⅲ型・・上肢の拘縮を伴うもの、原因遺伝子の一部→Pax3 Ⅳ型・・Hirsc…

オルセノン軟膏

0.25%トレチノイントコフェリル tretinoin tocoferil トレチノイントコフェリルはトレチノイン*1とトコフェロール*2をエステル結合したもの。日清製粉が合成、メイド・イン・ジャパン。 線維芽細胞の遊走、増殖促進作用があるとされる。 RAR*3との結合につい…

Urticaの語源

Urticaはイラクサの学名。 イラクサは茎や葉の表面に刺毛をもつ。 刺毛基部にはヒスタミンとアセチルコリンが入っている嚢がある。 刺毛にふれることで生じる炎症を、urticaと言ったのが蕁麻疹の名前のはじまり。 和名のイラクサ自体も「触ると痛い草=イタ…

梅毒の治療

治療の基本はペニシリン系抗生物質の内服である。 未だ耐性菌の報告もなく、第一選択薬とされる。 内服療法と注射療法と比較して、両者の治療効果に差がほとんどないために現在では内服が主となっている。 内服期間は2週間〜3ヶ月。 治療効果はSTSの抗体価…

梅毒の検査

STS Serologic Test for Syphilis、 別名ワッセルマン反応 患者血清と脂質抗原*1を混合し、凝集の有無を見る。 ガラス板法と凝集法(RPR)がある。 抗脂質抗現出現までに、感染後3〜4週かかる。 生物学的偽陽性*2に注意。 TPHA Treponema Pallidum HemAgglutin…

いぼ・たこ・うおのめ

いぼ・・verruca(ベルーカ) たこ・・callus(カルス) ウオノメ・・clavus(クレイバス)

皮疹の分布と虫刺症の原因虫

ネコノミ地面、床から飛びついて吸血するので、主に下腿に皮疹が出る。 トコジラミ壁や柱の隙間に潜んでいて、夜出てきて吸血する。そのため皮疹は衣服、寝具からの露出部となる。刺し口が2個あるというのは迷信。 イエダニ、ツメダニ等の室内ダニ下腹部、…

突発性発疹

HHV-6/7感染症。2回かかることもある。 95%は1歳までに罹患する。 3人に1人は不顕性感染。 2〜3日38〜40℃の高熱が続き、解熱とともに発疹が出現。

ヘルペス感染症治療のまとめ

帯状疱疹 バルトレックス内服*1→1日3000mgを3回に分けて7日間 ゾビラックス内服*2→1日4000mgを5回に分けて7日間 ゾビラックス点滴*3→1日750mgを3回に分けて7日間 小児の帯状疱疹は水痘治療に準じる。 水痘 ゾビラックス内服→20mg/kg×4回、5日間 成人水痘では…

悪性黒色腫の遺伝子異常

ヒト悪性黒色腫細胞のおよそ70%にB-Rafのactivating mutationがある。 すなわちRaf→MEK→ERKという、MAPKシグナル経路の活性化が想定される。 種々のMAPK阻害薬が試されたが、治験にまで進んだのはsorafenibとPD0325901のみ。 PD0325901はMEK阻害薬で、MAPKの…

水痘

95%のヒトが6歳までに罹患する(だいたいは幼稚園、保育園で移し合い)。 空気感染、感染力は非常に強い。 潜伏期間は約2週間。 皮疹が出始めて4,5日で痂皮化する。 皮疹出現2日前〜痂皮化まで感染力がある。 ゾビラックスの使用 飲むと1日か2日、早く治…

アレルギー検査

RIST:radioimmunosorbent test 総IgE値を求める。基準値200IU/ml以下 保険点数:110点 RAST:radioallergosorbent test 特異的IgE値を測定する。0から6まで7段階。クラス2以上は陽性とする。 保険点数:1項目110点*1。13項目、1430点まで。 実際には免疫…

EBV感染症の診断

EBVの特異抗体は大きく分けてVCA、EA、EBNAの3種類。 VCAとEAはそれぞれIgM、IgG、IgA抗体を測定できる。 その他、PCRによるEBVゲノムの同定、定量も出来る。 VCA:virus capsid antigen IgM・・初感染急性期に検出される*1。 IgG・・回復期に上昇し*2、そ…

蚊アレルギー(蚊刺過敏症)

蚊刺過敏症→「ぶんしかびんしょう」と読む。 蚊に刺された後に発熱、リンパ節腫脹、肝機能障害などの全身症状と、水疱形成や壊死(→後に瘢痕)を伴う激しい局所症状を呈するもの。 蚊アレルギーの基礎には、NK細胞に潜伏しているEBV*1再活性化が関与する。 蚊…

虫刺症のstage

刺されるほどにStageが進む。 Stage1: 無反応 Stage2: 遅延型反応のみ Stage3: 即時型反応+遅延型反応 Stage4: 即時型反応のみ Stage5: 無反応 刺される頻度の少ない虫では遅延型反応のみ 即時型反応*1が出るようになるには、それなりの経験が必要 遅…

石鹸とシャンプーの違い

一言で言えばPh。石鹸→アルカリ性。シャンプー→中性〜弱酸性 アルカリ性である方が洗浄力(油汚れを落とす力)が強い。 石鹸で髪を洗うと「キュッキュッ」となるのは皮脂が落ちすぎるため*1。 リンスの主な目的はアルカリ性に傾いたPhを酸性に戻すこと。 石…

悪性黒色腫の治療2

アメリカ(FDA)で認可されているのは、IFN-α2aのみ。 そのレジメは2000万単位/体表面積m2/週5日/4週間 →1000万単位/体表面積m2/週3日/48週間 全てを受けたらおよそ250万円くらいかかる・・ 化学療法のレジメとしてはDAC-TAM療法*1が主流。ただしこれもstageⅣ…

悪性黒色腫の治療1

化学療法のResponse Rate(RR)は高くても30%程度と考えられる。 種々のレジメがあるが、DTIC単剤に比べ奏効率が有意に勝ると証明されたものはない。 生存期間の有意な延長が期待できる化学療法は現時点では存在しない。 日本における化学療法 主流はDAV-feron…

隆起性皮膚線維肉腫

dermatofibrosarcoma protuberans、DFSP 免疫組織化学的にCD34陽性。 17/22染色体転座あり。キメラ遺伝子COL1A1-PDGFBの出現。 よって本態はⅠ型コラーゲンプロモーター下のPDGF*1過剰発現である。 すなわちグリベックの守備範囲。 *1:間葉系細胞の増殖因子

急性汎発性発疹性膿疱症:AGEP

acute generalized exanthematous pustulosis 急速に発熱と共に全身の潮紅と角層下小膿疱を生じる疾患。 しばしばTENとを誤診されるが、本質的には経過良好の中毒疹*1。 好中球の増加を認める。 exanthema ・・皮疹、発疹 exanthematology ・・発疹学 exanth…

ステロイドの全身投与

ステロイドの全身投与の際に知っておくべきことのまとめ。 生体は1日プレドニソロン(PSL)を5mg作っている。 内服は分割の方が効果的。40mg 朝1回より、20mg 朝夕2回の方が効く。 静注するときには50%増しで内服と同量になる。 PSLを恒常的に5mg/day以上使…

丹毒

Erysipelas 顔面に起こる場合、「耳そうじ」「鼻ほじり」「鼻毛抜き」などのエピソードが起因となる。 蜂窩織炎に比べ病変部が浅いため、浮腫状になりやすく、水疱を伴うこともある。