分子生物学

PCRとマグネシウム濃度

原則としてMg濃度が高いほど特異性が高まり、増幅効率が下がる。 通常のPCR・・2mM Q-PCR・・3mM 、、が標準的。

FGFとFGFR

FGFは現在22種類知られる。 FGF1〜23まで、15と19は同じもの。ヒトではFGF19、マウスではFGF15と呼ばれる。 7種類のサブファミリーに分類される。 FGFRはFGFR1〜4まであり、FGFR1〜3は2種類ずつのアイソフォームが存在する、計7種類。

RNAポリメラーゼ

細菌のRNAポリメラーゼを1種類であるのに対し、真核生物には3種類存在する。 RNAポリメラーゼⅠ、ⅢはtRNA、rRNA*1を転写し、大多数のRNAはRNAポリメラーゼⅡによって転写される。 細菌のポリメラーゼがそれ単体で転写を開始できるのに対し、真核生物のポリメラ…

コレラ毒素と百日咳毒素

コレラ毒素(cholera toxin) GsをADPリボシル化し、GTPase活性を阻害する。 これによりGsの活性化状態が続き、アデニル酸サイクレースが刺激され続ける。 百日咳毒素(pertussis toxin) GiをADPリボシル化し、7回膜貫通型受容体と結合できなくする。 これ…

三量体Gタンパク-αサブユニット

GTPaseドメインを持つ。少なくとも20種類存在し、以下のファミリーに分けられる。 促進性Gタンパク(Gs)アデニル酸サイクレースを活性化し、cAMPの濃度を上昇させる。 抑制性Gタンパク(Gi)アデニル酸サイクレースの阻害、イオンチャネルの調節 Gqホスホ…

三量体Gタンパク

7回膜貫通型受容体と共役する。 α、β、γのサブユニットからなる。 刺激を受けていない状態ではαサブユニット(Gα)にGDPが結合し、不活化状態にある。 受容体により刺激されると、GαにGTPが結合し、Gαとβγ複合体に解離する。 Gαとβγ複合体の解離時間はGαのGTP…

ホメオボックス

約180塩基のDNA配列。DNAに結合するホメオドメインをコードする。 動植物で広く保存される。 ホメオボックスをもつ遺伝子をホメオボックス遺伝子と呼ぶ。 ホメオボックス遺伝子は発生の調節に働く。 例えばHox遺伝子は体軸のパターン形成に機能する。

Small G proteins

低分子量Gタンパク質。Rasスーパーファミリーとも称される。 さらにRas、Rho、Rab、Arf、Ranの5つのサブファミリーに分けられる。 Ras・・増殖や分化。H-Ras、K-Ras、N-Ras等。 Rho・・細胞骨格の制御。哺乳類で22種。Rho、Rac、Cdc42等。 Rab・・小胞輸…

Lyonization

ライオニゼーション 女性のX染色体の片方が不活化される現象のこと。 常染色体では、二本の染色体に載った対立遺伝子の両方が同時に発現。 X染色体は男女で本数が異なり、そのままでは発現量に2倍の差が生じる。 そこで女性の各細胞では、どちらか一方のX染…

HAT培地

ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンが入った培地 チミジンキナーゼ(Tk)をもつ細胞を選択することができる アミノプテリンはヌクレオチドのde novo合成を阻害する。 サルベージ経路が動く細胞のみ、ヒポキサンチン、チミジンを利用してヌクレオチドを…

テトラプロイド・アグリゲーション法

Tetraploid ES Cell Aggregation WTのテトラプロイド(4倍体胚)とES細胞(2倍体胚)とを凝集させる。 するとキメラ胚では、テトラプロイド細胞は胎盤などの胚外組織へのみ寄与し、胎児自体には寄与しない。 この方法により100%ES細胞由来の胎児を得ることが…

モルフォリノ

antisense morpholino oligonucleotide(AMO) アンチセンス法の発展型。通常25bpで合成される。 deoxyribosの代わりにmorpholineを、phosphateの代わりにphosphorodiamidateを用いて合成されたもの。 ヌクレアーゼ耐性であり、安定なためオートクレーブも可能…

tTA,rtTA,TRE

Tet-on/off gene expression system。Clontechの特許。 TetR*1:TC*2非存在時のみTetO配列に結合するタンパク。 TetO*3:TetRが認識、結合する配列 tTA*4:TetRとVP16*5のfusion protein rtTA*6:tTAを改変。TC存在時のみTetO配列に結合する。 TRE*7:7回繰り返し…

miRNA

micro RNA 19〜23塩基の1本鎖RNA。 siRNAに似るがsiRNAとは異なる。 siRNAは2本鎖RNA siRNAが標的mRNAを切断するのに対し、miRNAは標的mRNAの翻訳を抑制する*1。 線虫で初めて発見され,動植物に広く保存されている。 miRNAの機能はまだ良く解明されていな…

MX1-creマウス

Mx1*1はウイルス感染に対して活性化される遺伝子。 Interferon-α、-β、または二本鎖RNAによっても活性化される。 通常、安価なポリイノシンポリシチジン酸*2を投与して動かす。 肝臓、白血球で高率にrecombinationを起こすことは確認されている。他の組織で…

CD45

別名「白血球共通抗原」*1 赤血球、血小板以外の造血系由来細胞に高いレベルで発現。 この抗体で全ての白血球を分離することが可能。 本態はチロシンキナーゼ型受容体だが、その機能は十分には解明されていない。 *1:Leucocyte common antigen: LCA

CD1

脂質抗原を提示する分子。MHC分子がペプチド抗原提示するのと対をなす。 ヒトではCD1a〜1cのアイソフォームがある*1。 適応免疫応答の鍵となる樹状細胞、胸腺皮質細胞に発現。*2 末梢血単球はCD1を発現しない。しかし組織内で樹状細胞に分化するとともに発現…

RNAi

RNA interference、RNA干渉 二本鎖RNA(dsRNA)と相補的な塩基配列を持ったmRNAが分解される現象 1995年、線虫でdsRNAがセンスRNAやアンチセンスRNA単独よりも10倍強力に遺伝子発現を抑制することが発見された。 RNAi機構は酵母からヒトに至るまで保存されてい…

CAGプロモーター

CMV enhancer+chickenβ-actin promoter+abbit β-globin polyAシグナル 哺乳類の細胞で働く、最強の合成プロモーターの一つ。

KIT

チロシンキナーゼ型レセプター。リガンドはSCF (stem cell facter)。 KIT、もしくはSCFをノックアウトしたマウスは、白斑、貧血、不妊をきたす。 KITを発現する細胞 メラノサイト 肥満細胞 血液幹細胞 生殖細胞 カハールの介在細胞*1 KITシグナルは細胞の分…

オクルディンとクローディン

タイトジャンクション(TJ)を構成する膜タンパク。 細胞同士を距離ゼロで接着させ、paracellular pathwayのバリアー機能を担う。 いずれも月田研でoccludin→claudinの順に発見された。 クローディンはfamilyを形成しており*1、組織によって発現が異なる。オク…

ROSA26

ROSA26遺伝子座はほぼ全ての組織(特にembryo期)で均一な発現が認められる。 この遺伝視座をいじくっても発達に異常が認められない。 よって、ubiquitousにタンパクを発現させたい時に好んで用いられる。 よく利用されるのはROSA26 Reporterマウス(R26R) こ…

IRES配列

Internal Ribosome Entry Site [目的遺伝子-IRES-GFP]のようにタンデムに連結したタンパク質コード領域の間にIRESを挿入することで、単独のmRNAから複数の蛋白の翻訳を可能にする。 上の例では、目的遺伝子とレポーターが同一のプロモーターから発現されるた…

HEK293細胞

Human Embryo Kidney Cell(HEK細胞)から樹立された安定細胞株。 アデノウイルスDNA(Ad5 DNA)を用いて形質転換(不死化)してある。 「293」は293番目の実験で得られた細胞株であることに由来する。 HEK293細胞は培養やトランスフェクションが簡単で扱いやす…