悪性黒色腫の遺伝子異常
- ヒト悪性黒色腫細胞のおよそ70%にB-Rafのactivating mutationがある。
- すなわちRaf→MEK→ERKという、MAPKシグナル経路の活性化が想定される。
- 種々のMAPK阻害薬が試されたが、治験にまで進んだのはsorafenibとPD0325901のみ。
- PD0325901はMEK阻害薬で、MAPKの活性をほぼ遮断する。しかし、臨床的効果はほとんど見られず。
- sorafenibではある程度の腫瘍縮小効果は見られた。
- ただしsorafenibはMAPKシグナル阻害と同時に、c-Kit,VEGFR2,VEGFR3といったチロシンキナーゼ阻害剤でもあるので、どこに作用したのかは不明。
- 現時点ではMAPKシグナル阻害のみでは進行性悪性黒色腫の治療には不十分、と考えられている。