表皮とWntシグナル

  • βカテニンは通常、細胞質内でリン酸化、ユビキチン化され速やかに分解されるが、Wntシグナルにより安定化し、Tcf/Lefと結合して標的遺伝子*1の転写を調節する。
  • 皮膚においては、毛包/付属器の形成に最も重要なシグナル。
    • 安定化βカテニン導入マウスでは、通常毛のない部位にも毛包が形成。
    • 石灰化上皮腫の75%以上に、βカテニンの変異が見つかる。
  • 抑制因子としてDkk、BMPシグナル系がある。
  • BMPシグナル系の抑制因子であるNogginは、毛包形成の促進因子である。

毛包形成促進・・Wnt、Noggin
毛包形成抑制・・Dkk、BMP

*1:サイクリンD,c-Myc等。表皮特異的c-Mycの発現により、潰瘍形成と脂腺上皮腫の形成がみられ、c-Mycの脂腺分化への関与が示唆される