EBV感染症の診断

  • EBVの特異抗体は大きく分けてVCAEAEBNAの3種類。
  • VCAとEAはそれぞれIgM、IgG、IgA抗体を測定できる。
  • その他、PCRによるEBVゲノムの同定、定量も出来る。

VCA:virus capsid antigen

  • IgM・・初感染急性期に検出される*1
  • IgG・・回復期に上昇し*2、その後終生陽性が持続する。
  • IgA・・上咽頭癌など特異な病態の時に検出される。発見や治療の指標となる。

EA:early antigen

  • IgM・・急性期に検出される。検出期間が長く注意。
  • IgG・・急性期〜回復期に検出、数カ月の経過で陰性化。再活性化に伴い再び検出される。
  • IgA・・上咽頭癌で検出されることがある。

EBNA:EBV nuclear antigen

  • 感染後数カ月経過してから検出される。

まとめると、

  • 初感染(伝染性単核球症)を疑うとき、VCA-IgM、VCA-IgG、EBNA抗体を測定する。可能なら2週間後にペア血清をとる。
  • 初感染なら、EBNA抗体陰性、VCA-IgM陽性、ペア血清でVCA-IgG抗体価が4倍以上に上昇。
  • 通常、EA抗体全般およびIgA-VCA抗体は測定の必要なし。
  • EA-IgG抗体はウイルスの増殖、活動性の指標となるが、初感染を疑う場合は測定の必要なし。

*1:乳幼児では検出されない場合(検出率70%)がある。慢性活動性EBV 感染症の場合にも陽性を呈することがある。

*2:年長児では上昇が早く、急性期から陽性であることも多い