梅毒の検査

STS

  • Serologic Test for Syphilis、 別名ワッセルマン反応
  • 患者血清と脂質抗原*1を混合し、凝集の有無を見る。
  • ガラス板法と凝集法(RPR)がある。
  • 抗脂質抗現出現までに、感染後3〜4週かかる。
  • 生物学的偽陽性*2に注意。

TPHA

  • Treponema Pallidum HemAgglutination test
  • 患者血清とTP抽出成分を混合し、凝集の有無を見る。
  • 特異性が高い。
  • 感染後3ヶ月以降に陽性となり、早期診断には適さない。
  • 一度陽性となると生涯陽性が持続する。中和抗体ではない。
  • IgM抗体のみを検出することも可能となった。

FTA-ABS法

  • Fluorescent Treponemal Antibody-ABSorption assay
  • スライドグラスにTP抽出成分を吸着させ、患者血清と反応、間接蛍光抗体法で検出する。
  • 検出している抗体はTPHA法と同じだが、最も確度の高い検査法。
  • TPHA法に比べ若干感度が高く、STSと同時期に陽性となる。
  • IgM抗体のみを検出することも可能となった。
  • まずSTSとTPHAを行う。
  • 診断には定性検査でよい。治療開始時には必ず定量する。
  • BFP、感染初期などはFTA-ABS法で確認する。
  • 特に初期感染を疑うときは、IgM-FTA-ABS法*3を行う。
  • STS×、TPHA× →未感染、もしくは感染初期。疑わしければ3〜4週後再検査。
  • STS○、TPHA× →感染初期、もしくはBFP。3〜4週後再検査。
  • STS○、TPHA○ →梅毒。治療開始。
  • STS×、TPHA○ →既感染。治療の必要なし。

*1:カルジオリピン+レシチン:梅毒トレポネーマと交叉抗原性を有する

*2:BFP:biological false positive:SLE、妊婦、ワクチン接種後、肝疾患

*3:STSよりも陽性となるのが早いらしい