2006-10-06 梅毒の検査 皮膚科 STS Serologic Test for Syphilis、 別名ワッセルマン反応 患者血清と脂質抗原*1を混合し、凝集の有無を見る。 ガラス板法と凝集法(RPR)がある。 抗脂質抗現出現までに、感染後3〜4週かかる。 生物学的偽陽性*2に注意。 TPHA Treponema Pallidum HemAgglutination test 患者血清とTP抽出成分を混合し、凝集の有無を見る。 特異性が高い。 感染後3ヶ月以降に陽性となり、早期診断には適さない。 一度陽性となると生涯陽性が持続する。中和抗体ではない。 IgM抗体のみを検出することも可能となった。 FTA-ABS法 Fluorescent Treponemal Antibody-ABSorption assay スライドグラスにTP抽出成分を吸着させ、患者血清と反応、間接蛍光抗体法で検出する。 検出している抗体はTPHA法と同じだが、最も確度の高い検査法。 TPHA法に比べ若干感度が高く、STSと同時期に陽性となる。 IgM抗体のみを検出することも可能となった。 まずSTSとTPHAを行う。 診断には定性検査でよい。治療開始時には必ず定量する。 BFP、感染初期などはFTA-ABS法で確認する。 特に初期感染を疑うときは、IgM-FTA-ABS法*3を行う。 STS×、TPHA× →未感染、もしくは感染初期。疑わしければ3〜4週後再検査。 STS○、TPHA× →感染初期、もしくはBFP。3〜4週後再検査。 STS○、TPHA○ →梅毒。治療開始。 STS×、TPHA○ →既感染。治療の必要なし。 *1:カルジオリピン+レシチン:梅毒トレポネーマと交叉抗原性を有する *2:BFP:biological false positive:SLE、妊婦、ワクチン接種後、肝疾患 *3:STSよりも陽性となるのが早いらしい